建設キャリアアップ メリットとデメリット
今回は、建設キャリアアップシステムに登録することのメリットとデメリットをご紹介していきたいと思います。
最近よく見かけるようになったCCUCってもの。
すでに取る必要性がある人は、読むの飛ばしてくれていいからね。
1 登録することのメリットは何?
建設業界では、「建設キャリアアップシステム」の登録を推進する流れが出てきていますが、実際のところ登録すべきか、まだ先延ばしにしていていいものか、迷われていませんか。
メリットの方が大きければ、いつ登録すれば良いかという判断もしやすくなります。
(1) 技能者登録のメリットは?
① まず技能者が転職する場合、ICカードに蓄積された職歴や記録された資格が役立ちます。また独立する場合にも、自分がどのような経歴を有しているかの証明に役立ちます。
専任技術者になるには資格または実務経験のどちらかで証明してきました。
10年の経験を証明するのはなかなか大変なことです。
ですが、蓄積されたデータで自分にどのような経験があるか簡単に証明することが出来るようになります。
② 登録によって、これまでの経験が事業者に一目瞭然になります。豊富な経験値があれば、事業者の正当な評価を得ることが出来、待遇への反映を期待できるようになります。
複数の事業者に勤めていた場合でも、これまでに蓄積した経験や技能、保有資格など通算した経歴を事業者に提示することができるので、働く現場が変わっても能力に応じた賃金や待遇を期待できます。事業者も有能な人材を確保するために、これまでの年功序列の賃金設定を改善したり、能力に応じた賃金システムを取り入れる必要が出てくることから、人材を育てることに力を入れることが期待できます。
(2) 事業者登録のメリットは?
①技能者の就業状況を簡単に把握することが出来ます。
修行履歴が一目瞭然ですので、採用の際の資料として役立ちます。
②入退場の管理が簡単です。
特に元請け事業者は技能者の入退場にICカードを使うことで現場の入場管理の効率化が図れます。
また登録される技能者情報は安全書類や作業員名簿、新規現場入場時のアンケートに記載される項目となっており、建設業退職金共済制度における証紙の貼付状況が確実かつ容易になることから事務作業が楽になります。
③アピール力に差が出る
下請け事業者も雇用する技能者の水準を把握できるので、自社の施工力をアピールしやすくなります。それによって受注機会を増やすことにつながります。
④経営事項審査の加点事由になります。
建設キャリアアップシステムを活用した技能者能力評価が、「経営事項審査」の審査基準に導入されることが決定されたので、今後、評点値UPが期待できるようになると思われます。
(3)技能者登録のデメリットは?
では、逆にデメリットも確認しておきましょう。
①登録費用がかかります。
キャリアアップシステムに登録するには、技能者一人あたり簡易型で2,500円、詳細型で4,900円の手数料がかかります。
②登録していないと不利な扱いもありうる
ゼネコンは100%の登録を掲げていますので、「建設キャリアアップシステム」の登録をしていない技能者は、仕事受注の機会が減少することになります。
(4)事業者登録のデメリットは?
①ICカードリーダーの準備が必要(元請業者のみ)
元請け事業者が現場の入場にシステムを導入するには、ICカードリーダーを用意する必要があります。
元請業者が用意したカードリーダーは、1技能者がピッと通すたびに1回10円のシステム利用料が必要になります。
②登録費用がかかります
キャリアアップシステムに登録するには、事業者一社につき、資本金に応じた額の手数料がかかります。
500万円未満、500万円以上、というように資本金額でランクがわけられており、それによって登録料が決められています。
③登録していないと不利な扱いを受けることも
技能者の場合と同じですが、ゼネコンは100%の登録を掲げていますので、「建設キャリアアップシステム」の登録をしていない事業者は、仕事受注の機会が減少することになります。
④登録までの時間がかかる
国土交通省は建設分野の技能実習生の受け入れに当たり、「建設キャリアアップシステム」へ登録することを義務付けています。実習生の雇用が決まってから登録するとしても登録完了までの期間が必要になるので速やかな受け入れのためには、周到な準備が必要です。
(5)技能者、事業者共通のデメリット
①ネット申請のみ
技能者、事業者とも原則として郵送申請がなくなりました。インターネット申請のみになり、ネットの使い方に不慣れな人にとっては逆に不便になったともいえます。
ネット申請では不備が続出し、申請に手間と時間がかかっているようです。問合せ先の窓口もメールのみとなりましたので、返信がくるのが2~3日後となっています。申請も1~2週間の審査期間がかかりますので、余裕を持って準備する必要があります。
メリットとデメリットを比べてみてね。
技能者さんが、個々人で登録するのは、手続き的にも時間的にもおそらく難しいと思います。
事業者さんが従業員の全員分を登録されるのが一般的だと思います。
よく問題になるのは、下請け業者さんの方々の登録をどうされるかだと思いますので、費用はどのように負担されるかを両社で先に決めておかれると良いと思います。
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