経営管理者要件を充たすたす人がいない場合どうする?
おはようございます。
兵庫県姫路市の行政書士の秋田です。
夏前に、ご相談を受けた経営業務管理責任者の交替について。
要件を充たしていない場合も、他の条件を充たすことでいける場合がありますので、ご紹介したいと思います。
建設業の許可を新規で取られる場合、または既に許可を取られた後に経営業務管理責任者が交替される場合にも経営業務管理責任者の要件を充たす必要があります。
要件を要約すると、常勤性、欠格要件の非該当、そして経営経験の経験値が必要です。
建設業許可制度最大の目的は発注者の保護を図ることですので、そのためには「経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有すること」を求めらられます。この要件を充たすことが一番難しいところでもあります。経験値があれば、難なく認められるところなので普段あまり気にすることはないかもしれません。
経営業務管理責任者になるための要件は、ご存じのとおり個人事業主としての経験または取締役としての経験が建設業に関して5年以上必要です。
もちろん登記された支配人なども可能ですが、マイナーなので省略します。
以前は、この「建設業」に関する経験についても取得しようとする業種に関するものであることが必要でしたが、この部分は緩和されています。
広く「建設業」であればOKです。
ですが緩和されたと言っても、なかなかこの要件を充たすことが難しいのが現状です。そこでさらに緩和されたのが以下の方法です。2つご紹介いたします。
1 「準ずる地位にある」場合
経営業務管理責任者になろうとする方が、5年の経営経験の要件を充たしていない場合でも、建設業に関して取締役としての経験がなくても経営業務を補佐した経験が6年以上ある場合は、この要件を充たすというものです。
「準ずる地位」とは、役員、組合理事、事業主または支店長、営業所長に次ぐ職制上の地位をさします。分かりやすくいうと「工事部長」や「営業部長」の地位といったところでしょうか。
また、同じ準ずる地位の場合でも、役員又は事業主に次ぐ職制上の地位で、執行役員等としての経営管理経験が5年以上あった場合も要件をみたします。
これらの使う場面の違いは、法人の中で工事に関する決定権などを有して任せられていた場合(上の場合)と、個人事業主のもとで働く息子さんなど、経営をほぼ任せられていた場合(下の場合)が使われる場面の違いだと思います。
2 経営業務管理責任者になる人を「補佐する人がいる」場合
経営業務管理責任者になろうとする方が、5年の経営経験の要件を充たしていない場合でも、建設業に関して取締役として2年以上の経験があり、建設業に関しない取締役等の役員経験を含めて5年以上の経験を有している場合で、かつ、この方を補佐する人がいれば、要件を充たすというものです。
補佐する人の要件は、建設業の業務運営、財務管理、労務管理に関する3分野について経験を各5年間有することです。簡単に言うと、建設業に関する契約などの決定権を有する人、お金のことを決められる人、人事に関して決められる人、の3つの分野の責任者がこれに該当します。
経験期間は並行して重複していても構いません。従って最短5年間の経験が必要ということになります。
もちろん補佐する人は1人でなくても最大3人でもOKです。
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実際にどちらが使われているかをお聞きしたところでは、2つ目のパターンはほぼなく、1つ目はボチボチ使われているとのことでした。
緩和されたと言っても、突然、経営業務管理責任者の交替の必要が生じた場合には、なかなか要件を充たす方がおらず苦労されることが多い点でもあります。
可能であれば、早めのご準備が必要です。
上記の要件を充たすための証明書類については、お気軽にお問合せくださいませ。