産業廃棄物収集運搬業 新規許可取得をお考えの皆様へ


1 収集運搬業許可が必要なときって?


産業廃棄物を依頼を受けて、中間処理施設や最終処分場まで運搬する場合に、許可が必要となります。
産業廃棄物ですので、家庭から出る一般ごみとは区別されています。

そして廃棄物の排出場所がある都道府県と、運搬先の処分場がある都道府県の許可が必要になります。
この2つが同じ都道府県内にある場合は、1つの許可でOKです。
※例えば、岡山県で出た廃棄物を兵庫県内の処分場へ運びたい場合は、岡山県の許可証と兵庫県の許可証の2つが必要になります。

元請けさんが、下請け業者さんに運搬の依頼をする場合、どちらが許可を持っている必要があるか、というと、どちらも必要です。
元請けさんは、排出物の運搬を請負うために許可が必要ですし、下請けさんは、実際に運搬するために許可が必要になります。

   

 

2 許可が要らない場合ってある?

  
まずは、自社の産業排出物を運搬する場合は、許可は不要です。
注意が必要なのは、建設業の解体現場から排出された廃棄物の運搬です。解体を下請けで請け負った場合は、排出させたのは元請け業者さんということになりますので、下請けさんが廃棄物を運搬するには許可が必要になります。元請さんに、許可をとるように言われるのは、こういうことですね。

元請さんが運搬する場合は、解体物は自社が排出したものになりますので、許可は不要です。
ただ、実際は他社が排出したものだった場合など、分かりにくい場合もあるかもしれません。
どちらであっても気にせずに運搬するには、許可を取得しておくのが無難かもしれないですね。



3 何を運ぶことができるの?

  
普通産業廃棄物には、以下のものがあります。
何を運ぶかにより変わりますので、確認してくださいね。

建設解体業から排出される廃棄物は、通常8種類から9種類になります。
また、他にも区別が必要なものとして、石綿含有産業廃棄物に該当するか否か、水銀含有産業廃棄物に該当するか否か、などをきちんと分ける必要があります。
さらに、水銀使用製品産業廃棄物(主に廃蛍光管など)を運ぶ場合にも、新規許可時点で取っておくようにします。

これらを、後から増やしたいと思って許可を追加取得しようとすると「業種追加」になって、別途申請手数料(71,000円)が掛かりますのでご注意くださいね。

1 燃え殻石炭がら、コークス灰、重油灰、廃活性炭(不純物が混在すること等により泥状のものは汚泥)、産業廃棄物の焼却残灰、炉内掃出物、煙道等に付着したすす等○集じん装置で捕集したものは、「ばいじん」として扱う。
2 汚泥メッキ汚泥、工場排水等処理汚泥、各種製造業の製造行程で生じ る泥状物、ベントナイト汚泥等の建設汚泥、生コン残さ、下水道 汚泥、製紙スラッジ、余剰汚泥、中和汚泥、塩水マッド、ケイ藻 土かす、凝集沈殿汚泥、炭酸カルシウムかす、クリーニング汚泥、 廃イオン交換樹脂(重金属類の無害化処理をしていないもの)
3 廃油廃潤滑油、廃洗浄油、廃切削油、廃燃料油、廃食用油、廃溶剤(シ ンナー、アルコール類)、タールピッチ類
4 廃酸廃硫酸、廃塩酸、廃硝酸、廃クロム酸、廃塩化鉄、廃有機酸、写 真定着廃液、酸洗浄工程その他の酸性廃液、エッチング廃液
5 廃アルカリ廃ソーダ液、写真現像廃液、アルカリ洗浄工程その他のアルカリ 性廃液、金属せっけん廃液
6 廃プラスチック類合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくずなど固形状の合成高 分子系化合物、塗料かす(固形状のもの)、廃イオン交換樹脂(重 金属類を無害化処理したもの)、廃タイヤ、フィルムシート、接着剤かす
7 紙くず(※)<特定の業種> 建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた ものに限る。)、パルプ・紙又は紙加工品製造業、新聞業(新聞巻 取紙を使用して印刷発行を行うもの)、出版業(印刷出版を行う もの)、製本業、印刷物加工業より排出される紙、板紙等のくず <全業種> PCBが塗布され、又は染み込んだもの
8 木くず(※)<特定の業種> 建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた ものに限る。)、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。) より排出される木綿くず、羊毛くず等の天然繊維くず <全業種> PCBが染み込んだもの
9 繊維くず(※)<特定の業種> 建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた ものに限る。)、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。) より排出される木綿くず、羊毛くず等の天然繊維くず <全業種> PCBが染み込んだもの
10 動植物性残さ(※)食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業において、原料として 使用した動物又は植物に係る固形状の不要物(醸造かす、発酵か す、ぬか、ふすま、パンくず、おから、コーヒーかす、その他の 製造くず、原料かす) ○卸小売業、飲食店等から排出される動植物性残さ、厨芥類は、 事業系の一般廃棄物に該当する
11 動物系固形不要物(※)と畜場において処分した獣畜及び食鳥処理場において処理した 食鳥に係る固形状の不要物
12 ゴムくず天然ゴムくず(合成ゴムくずは廃プラスチック類)
13 金属くず切削くず、研磨くず、空缶、スクラップ
14 ガラスくず・コン クリートくず及び陶 磁器くずガラスくず、耐火レンガくず、陶磁器くず、セメント製品くず、 空ビン、ガラス粉、破損ガラス、シポレックスかす ○解体工事等により発生するコンクリート片は「がれき類」に該当する
15 鉱さい鋳物廃砂、スラグ、ノロ、ボタ、不良鉱石、フラックスかす
16 がれき類工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片 その他これに類する不要物(コンクリート・アスファルトの破片 等)
17 動物のふん尿(※)畜産農業から排出される牛、豚等のふん尿
18 動物の死体(※)畜産農業から排出される牛、豚等の死体
19 ばいじん (ダスト類)大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設、汚泥・廃油・廃酸・ 廃アルカリ・廃プラスチック類等の焼却施設において発生するば いじんであって集じん施設(乾式、湿式)によって捕集したもの
20 処分するために処 理したもの(政令第 2条第 13 号廃棄物)1~19 に掲げる産業廃棄物を処分するために処理したものであ って、これらの産業廃棄物に該当しないもの(コンクリート固化 物等)

 

  

4 許可の基本的な要件は何?

 
要件は大きく分けると4つ】

① 講習会を受講して合格していること。

詳しくは、➡こちらから。

② 経理的基礎がしっかりしていること。

直前3年の決算書類等から確認されます。債務超過になっていないこと、自己資本比率を有していること、納税の滞納がないことなどが必要です。
※兵庫県はそこまで厳しくありませんが、和歌山県、三重県などは、債務超過に該当する場合は、今後5年の事業計画書(黒字化するため)の作成などが求められますので、ご相談下さいね。

   

③ 欠格要件に該当しないこと。


過去に暴力団とのつながりがないこと、刑法犯罪を犯していないこと、産業廃棄物に関する法律違反による刑の執行が終わってから5年を経過していることなどが該当します。
※意外に、罰金で済んだから(刑務所に入ったわけじゃないし~)とお忘れになってしまうこともあるようですが、該当しますのでご注意くださいね。

いずれか一つでも該当すると要件を満たせません。


④ 運搬施設(車両や施設)を有すること。

車両に関しては、必ずしも所有でなくても大丈夫です。ただし、証明書類は必要になります。





5 許可の有効期限は?

  
5年です。

優良認定(優良産廃処理業者認定制度における認定)を取られた場合は7年に延びます。



6 申請はどこにすればよいの?

管轄といって、その処分を行う区域を管轄する都道府県知事又は政令市長の許可を取得します。
簡単に言うと、どこの廃棄物をどこに持っていくか、その一番多い地域を管轄する場所になります。
事務所が変わられて、排出先や処分先も変わった場合などは、移管手続きを行って管轄する申請先を変更することもあります。





弊所では、普通産業廃棄物の収集運搬業許可について、全国対応しております。

どうしても急ぎで許可を取得したい、自分で準備してたけどここが分からない、そんな場合も是非ご連絡くださいね。
許可取得のためのサポートをさせていただきます。

お気軽にお電話くださいませ。



➡申請手数料、報酬一覧はこちら。


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