解体業許可を実務経験で取る方法:第4回

 

建設業者の皆さま、いつもお仕事お疲れ様です。

前回は、解体工事業の登録方法についてご説明しました。

今回は、解体工事業の実務経験を積む方法についてみていきたいと思います。

実務経験が足りない場合、どうする?

前回お伝えしましたとおり、解体工事業は、法律改正(リサイクル法)によって500万円以上の工事をするには建設業の解体工事業の許可が必要、500万円以下の工事をするには、解体工事業の登録が必要となりました。(リサイクル法は500万円以下の工事の部分に作用しています。)

もっとも、どちらも許可取得・登録するには資格や実務経験が必要になります。

資格があれば、あっさり取得できますが、毎日働きながら資格を取るのは大変なことです。従業員の方も皆、忙しい中でじゃあ誰が取る?と譲り合いになるかもしれません。

また、専任技術者になることを考えると、やめる心配のない方が資格を取得して専任技術者になられるのが理想的で、そうなるとさらに忙しくて時間のない方に集中してしまいます。

じゃあ、資格はおいておいて、実務経験をつんでから許可取得をしたいと思っても、最低限工事業の登録をしていないと実務経験がつめない、登録するには実務経験が必要というスパイラルになっています。経験者を雇うのも一手ですが、新しい人材が早々みつかりにくいのも現状です。

そこで、最終目標500万円以上の解体工事業許可を取得するために、解体業の実務経験を積む方法はないか、検討してみたいと思います。今いる人員で人材を掘り起こしてみませんか?

一式工事でできる解体業はどこまで?

解体工事業は、29個目の業種として追加された一番新しい業種ですが、手引きには「それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。」と記載されています。

これは、例えば、室内を改装するための修繕に伴う解体は、内装業の許可があればよく、解体工事業の許可は不要ということです。他にも、古い家屋を解体した後に新しく家を建てる場合は、建築一式工事の許可があれば、解体工事業の許可は不要です。一式工事なので、もともと含まれているからと考えれば当然かもしれません。土木一式工事も解体工事業が含まれていますので、解体後に新しい工事を予定していれば同じことがいえます。

もっとも、解体だけをして新設するものがない場合は、500万円(消費税込)以上の工事はできません。更地にする場合かつ500万円以上の場合は一式工事の解体工事としては出来ないので、新たに解体工事業の許可が必要ということになります。

実務経験を積み上げる方法は?

では、500万円以上の解体工事業を営みたいと思われる場合で実務経験で許可を取得したいけれど、経験年数が足りない場合はどうやって経験をつめば良いのでしょう。

前回お伝えしましたとおり、工事施工金額が500万円以下の工事をする場合は、解体工事業の登録で良いですし、建設業許可の取得に比べて費用も割安で手続き要件も緩やかです。まずは、解体工事業の登録をして経験年数をつむのも一つです。

見落としがちですが、土木工事業、建築工事業の一式工事には500万円以下の解体工事を営むことも含まれています。従って、解体業の資格要件を充たさない場合でも、土木工事業や、建築工事業を取得するための資格はあるという場合は、解体業ではなく、土木一式や建築一式の建設業許可をまず取得して解体業を営む方法もあります。

例えば建築2級の資格をお持ちの場合、建築一式工事の許可は取れますが、解体業許可を取る資格は持ち合わせていないという場合、実務経験でとるしかありません。ですが法改正の影響で実務経験がどうしても足りないという場合もあると思います。このような場合は、視点をかえて、建築一式工事の許可をとって解体工事業を行うということも可能です。

ちなみに土木一式工事、建築一式工事で行うことが出来る解体業の範囲は、500万円以下の工事という点で、解体工事業の登録と同じです。

★注意しましょう!

土木一式、建築一式の建設業許可をお持ちの場合は、解体工事業登録をすることはできません。理由は端的に、内容が同じものだからですね。

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今回は、解体工事業の実務経験を積む方法法について見て参りました。

いかがでしたでしょうか。

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