解体業許可を実務経験で取る方法:第2回
目次
Q1 個人事業主として5年間経営をしていたことの証明はどうするの?
まずは経営事項管理責任者の証明として5年間、個人事業主として経営をしていたという経験を証明するために、確定申告書の業種「建設業の業種名」の記載があるものを5年間分準備する必要があります。2業種異常を同時に取得する場合は6年間必要になります。
もっとも確定申告書を過去のものまで、全て保存されていれば問題ないのですが、破棄されている場合もあるかもしれません。
そのような場合でも大丈夫です。税務署で確定申告書の控えを個人情報の開示請求をして写しを頂くこともできます。それでも足りない部分は年金事務所で「年金記録」の該当年分を発行してもらって代用することが可能です。
そして、建設業を営んでいたことの証明として、工事請求書なども併せて提出することになります。注文書と請書でOKの場合もあります。
Q2 解体業の10年間の実務経験はどのように証明するの?
実務経験証明書は、「営業主任」「現場責任者」などの地位で、建設業者で働いていた場合は、証明書として1年間に1件の実務経験の工事名を記入します。以前は、勤め先の建設業者さんに押印を頂いていましたが押印は不要になりました。
個人の場合も証明書を作成するのは同じです。
1年間に最低1件「以上」の経験があることが必要ですので、1件の工事名を記載した欄には、「他」と付け足しておきます。これで複数件の工事経験があることの記載証明になります。
さらに記載を裏付ける書類として、まず、建設業許可をお持ちだった場合は、許可証の写しと1年に1回提出する決算変更届に工事実績の経歴があるため、表紙の受付印がある写しを提出します。
次に、これまでに提出してきた決算変更届の中のとび・土工工事業、土木工事業、建築工事業の工事経歴書の写しを提出することで工事経歴があったことを証明します。これらは、解体業を営むことができる業種にあたります。
次に、施工工事の「請求書」、「注文書・請書」などの写しを準備します。
これは、工事経歴書に記載されている工事経歴の中の工事名称がリンクしていればなお良いと思います。
また、工事経歴書の中に適当な、解体工事実績が分かるような工事名の記載がない場合でも、記載してある工事以外の部分に解体に係る工事があるということが認められれば、経験ありと言えますのでご確認ください。
例えば、建築一式の中で、工事名が、○○邸新築工事となっている場合などです。
工事名が、リフォーム工事ばかりでは難しいかもしれませんが、新築工事で、もともと建っていた建物を解体した後に新しい建物を建てた場合も含まれている可能性はあります。
お問い合わせ頂ければ一緒に確認させて頂きますのでお電話下さいね。
次に、建設業許可をお持ちでなかった場合は、そのまま解体工事名の記載がある「請求書」または「見積書」を準備します。
Q3 何件分の請求書または見積書の準備が必要?
これは、必ずしも何件と決まっているわけではありません。
しかし、とび・土工工事業、土木工事業、建築工事業の建設業許可を取得されていた場合も、建設業許可をお持ちでなかった場合も大体2~3枚程度は必要とされています。
また、解体工事業の施工金額にもよります。1件あたりの施工金額が数万円の工事の場合は、1年間で少なくとも2~3件以上は工事をしていたはずだ、そうでなければ生活が成り立っていないはずだからという理由で、1カ月につき1枚ずつ、1年間で12枚の請求書を提出することもあります。
これが10年間分必要となるので合計120枚の請求書の写しが必要ということになります。
ちなみに経験上、お客様の中には、140枚以上の請求書の写しを提出した方もありますので、大変そう~というだけであきらめないで下さいね。
★期間の省略について★
合わせ技という手もあります。
例えば、とび土工工事業と解体業の許可を一度に取得する場合は、期間の省略ができます。建設業許可で2種類の許可を実務経験で取得しようとされる場合、原則10年ずつの経験が必要となり、合計20年の実務経験が必要となります。
ですが、とび土工工事業と解体業は、同じ工事から派生してる場合が多いことから期間の短縮が認められています。
つまり、とび土工工事業の経験が12年ある場合、その期間のうち解体業の経験が8年あれば、20年の期間がなくても実務経験の要件を満たしていると認められます。
とび土工工事業の場合は、前回お話したリサイクル法にはかかりませんので、例えば、とび土工工事業の経験は、平成5年1月1日~平成16年12月31日までの12年間あり、その期間のうち、平成5年1月1日~平成12年12月31日までの8年間の解体工事の経験があれば、一度に2業種の許可を取ることができます。
他のパターンの期間の省略についてもお知りになりたい方は、遠慮なくお電話下さいませ。
Q4 準備する「請求書」「見積書」の注意点は?
主に工事名にご注意下さい。
実務経験があったと認められる工事には、「家屋解体」「納屋解体」等工作物の解体であることがわかるものが必要です。必ずしも請求書そのものの記載ではなくても内訳書を添付することで一体として証明することも可能です。
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実務経験期間、請求書の準備も大丈夫そうでしょうか?
どの期間が実務経験として認められて、どの期間は使えないのか、どの請求書は使えてどの内容なら使えないのか、お一人で悩まずにお気軽にお電話下さいませ。一緒に検討していきましょう。
次回は、解体工事業の登録方法についてお伝えしたいと思います。
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