解体業許可を実務経験で取る方法 第1回
1 解体業許可を実務経験で取得するには
これから解体業を取得したいと思われる方、どのような実務経験があればよいのか検討してみませんか。
建設業の許可を取得される場合、経営業務の管理責任者と専任技術者の要件を満たす必要がありますね。
その中でも、専任技術者の要件について満たしているか検討してみましょう。
2 有資格者の方は、資格で取得しましょう
まず念のために検討すべきなのは資格を持っているかです。以下の資格をお持ちの方は、実務経験は必要ありません。
・1級土木施工管理技士
・二級土木施工管理技士(土木)
・一級建築施工管理技士
・二級建築施工管理技士(建築又は躯体)
・技術士法の建設・総合技術管理(建設)
・建設リサイクル法の解体工事施工技士
・職業能力開発促進法のとび技能士(二級の場合は3年以上の実務経験も必要です。)
これらの資格をお持ちの場合は、専任技術者としての要件を満たします。
では、これらの資格をお持ちでない場合はどうでしょうか?
これから上記の資格を取得されるのも一つの方法です。
ですが、お仕事しながら勉強するのは時間的にも難しいよな~と思われる方、実務経験をお持ちか、要件を満たすか一緒に検討してみてください。
3 実務経験のカウント方法は?
では、実際に実務経験の要件を満たしているか見ていきましょう。実務経験は、基本的に取得しようとする許可に関して10年の経験が必要です。
つまり解体業の許可を取得する場合は、主に「家屋解体」「納屋解体」等工作物解体の経験があることが必要です。
(1)建設業許可(とび・土工工事業、土木工事業、建築工事業)の解体工事業に係る経験を使用する場合。
実務経験のカウントの仕方で少し難しいのが、平成26年6月付け法改正の影響があることです。これにより令和1年5月31日までの解体業に関する実務経験しか使うことしかできなくなりました。
従って、例えば建設業のとび・土工工事業の許可を平成20年5月に取得していた場合、とび・土工工事業の業務として解体業も施工していた場合は、平成20年1月~平成30年12月までの10年間の実務経験を使用することができます。もちろんそれ以前の建設業許可の施工経験も同じように実務経験として使うことが出来ます。
(2)建設業のとび・土工工事業、土木工事業、建築工事業の許可を持っていなかった場合
建設業のとび・土工工事業、土木工事業、建築工事業の許可を持っていなかった場合はどうなるでしょうか。建設業許可をお持ちでない場合は少し注意が必要です。
ご存じのとおり、建設業許可は基本的に500万円以上の工事を行う場合に必要になります。
では、500万円以下の工事を行う場合、許可は必要ないのでしょうか?
ここが平成13年の法改正のあった箇所です。平成13年に建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)という法律ができました。
この建設リサイクル法により平成14年5月から500万円以下の軽微な解体業であっても建設工事に係る解体に関しては解体工事業登録することが必要になりました。
これまでは、500万円以下の工事であれば許可なく工事ができていましたが、この法律の施行により500万円以下の工事であっても許可(解体工事業の登録)が必要になったのです。
従って、建設業のとび・土工工事業、土木工事業、建築工事業の許可をお持ちでない場合で、平成14年5月以降は、500万円以下の工事であっても解体工事業の登録なく解体工事を行うことはできないことになります。よって必然的に平成14年5月以降の実務経験はないことになるのです。仮に、解体業を行っていたとしても登録なく行ったということで法律違反となり、この間の経験は認められないことになるのです。
これらを総合すると、建設業のとび・土工工事業、土木工事業、建築工事業の許可をお持ちではなく、解体工事業登録もされていない方は、裏を返せば、平成14年4月までの実務経験のみ使用できることになります。
つまり、建設業を営んでおり、平成14年4月までの10年間に解体工事の実務経験があれば、建設業の解体業の10年間の実務経験として使用することが出来ることになります。
例えば、平成4年1月から個人事業主の方で建設業許可も解体工事業の登録もしていなかった場合で、解体工事に関する業務を行っていた場合、平成4年1月1日~平成13年12月31日までの10年間の解体業に係る実務経験を登録することで専任技術者の要件をみたすことができます。もちろん平成4年以前の実務経験であっても証明することが出来さえすれば使用することは可能です。
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いかがでしょうか。
実務経験の期間のカウントが少しややこしいかもしれませんが、ご自分の場合、経験期間を満たしているかな~と迷われる方は、一度お電話下さいませ。一緒に検討しましょう。
次回は、第2回 実務経験の証明方法についてお伝えします。
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