遺言は必要ですか？不要でしょうか？

１　遺言のイメージは？

　「遺言」という言葉を一度は聞かれたことがあると思いますが、遺言と聞いてどんなことを思い浮かべられますか？　

　家族仲が悪くてもめているイメージでしょうか？それとも資産家のお家のイメージでしょうか？どちらもテレビドラマでよく見るお話にでてきそうですが、実際はどんなものかご存じですか。

うちは財産が少いから必要ないかな～

元気だからまだまだ考えなくていいかな～

と思われていませんか？

実際このように考えて先延ばしにしているうちに亡くなられてしまう方はいらっしゃいます。

そして、財産の多い少ないはほぼ関係なく、多ければ多いなりの、少なくても少ないなりにもめ事が起きうるのが世の常のようです。

　両親が生きている間は、親にどう思われたいかが優先されます。だれでも親は大切ですので、子供である以上「良い子」でいたいものです。だから、少し物わかりの良い子を演じる部分もあるでしょう。ただ両親がいなくなってしまうと、兄弟、姉妹は、いわば横並び状態ですので、どちらが多い少ない、どちらが得をした損をしたと、急に現実が見えてくるもののようです。人間ですので欲がでるのも仕方がないことなのかもしれません。

聞かれたことはありませんか？

世の中には「相続」が「争続」になっているご家族もいるって。

このようなもめ事を防止するための手段の一つが「遺言」です。

２　遺言のもう一つの意味

確かに、上記のように、家族、兄弟姉妹にご自分の死後、もめて欲しくないから遺言を残そうといういわば消極的な考え方もあります。

ですが、もっと積極的に、より良い人生の終末を迎えるために「遺言」を残しておこうという意味もあります。

　人間ですから、自分の最後をどのようにしたいか考える必要も迫られてきます。自分の最後を誰にお世話になるか、どのようにこれまでの有難うの気持ちを伝えようか、どのような最期を迎えたいか、そのためには誰にどうして欲しいか等々、決めなければなりません。また、決めたことを伝える必要もあります。

詳しく言えば、自分の財産を誰に譲りたい、慈善事業に寄付したい、お世話になった人に感謝の気持ちを表したい、希望するお葬式やお墓のことなど伝える必要がある、ペットの世話を託したいなど、ご自分の最期と死後についての希望などを自ら発信することです。

したがって最期の自分の望みをかなえるための自己実現の場が遺言と言えるかもしれません。

３　あなたにとって大切なものは何ですか？

遺言は、家族に争いごとの火種を残さない手段として、そして、ご自分の最期の希望を叶える場になります。遺言について考えることは、ご自分の大切な家族、人、モノなど様々なものを、もう一度見直して、一つずつ決めていく良い機会といえるのではないでしょうか。

４　遺言の書き方

遺言は、あなたが亡くなられた後に効力を発揮するものですから、その形式が有効であることが前提になります。

現金や不動産などの”持ち主”（所有者）が変わるのですから、形式に決まりがあるのです。

そこで、次回から、遺言と相続の仕組みと遺言の作成方法、保管方法などをご説明していきたいと思います。

ご自分で下書きだけも書いてみようかしら。。

そうお思いになられたら、一度、読んでみてくださいね。